KOBH/チームSky
4月4日、ベルギーで開催された“ツール・ド・フランドル”。それに続いて4月11日に開催された“パリ~ルーベ”。この春の二大クラシック レースは、パヴェと呼ばれる石畳と激坂を走ることで有名。そのため、各チームではそのハードなコースに耐える機材を投入してくることが多い。
とくに今年は、夏のツール・ド・フランスでベルギーのパヴェ区間が含まれることから、ツール・ド・フランドルにはランス・アームストロングや春先から絶好調のカンチェラーラ、地元の期待を一身に背負うボーネンなど、有名選手もそろい踏み。
そんな中、事前にリリースもないままに“ツール・ド・フランドル”スタート会場に登場したのが、この『KOBH60.1』とレタリングされた「チームSky」のピナレロ ニューマシンだ。さらに“パリ~ルーベ”では、世界最高レベルのバランス・性能を持つ『DOGMA60.1』と共にレースに投入され、ファンアントニオ・フレッチャが『KOBH60.1』に乗り、表彰台にあがる活躍をみせた。
『KOBH(コーヴ)』は、エドヴァルド・ボアッソン(チームSky)の「北のクラシックレース用に、『ドグマ』のSUV(スポーツ ユーリティ ヴィークル)があったらいいのに……」という一言から開発が始まったという。謎のベールに包まれた「最も遅れて登場したパヴェ用マシン」であるKOBH。その細部を分析することで、ピナレロの真の目的が見えてくる。
================================================
KOBH
1.素材
まず、このモデルのレタリングが示す通り、使用されるカーボンは、ドグマにも採用されている東レ製ウルトラハイモジュラス60トンカーボン。すなわち、このモデルがドグマと同列に位置する「最上級モデル」であることを示している。剛性と振動吸収性を両立するのはレースモデルの鉄則だが、ドグマと同素材を使用するということは、開発コンセプトからして安易なコンフォートバイクではないことが明らかだ。
また外的形状を変えているということは、BB周辺などパワー 伝達に関連する部分の特徴はドグマと同じレベルを維持しつつ、その他の要素を変化させている証明でもある。
KOBHバックステイ
KOBHフォーク
2.フレーム工作
ルックス的に『ドグマ60.1』と最も異なるのが弓なりのシートステイ。その専用設計は「CenturyRide™(センチュリーライド)」という名称が付けられ、パリ~ルーベのような過酷なコンディションでの走行に有効であるだけでなく、よりリッラクスしたポジション&フィーリングを求めるライダーにも最適なものとなっている。
本来のオンダフォークは後輪軸に対して、上から押さえる方向でステイがつながり、素材特性と相まって、 高い路面接地能力を実現している。それに対してKOBHのバックステイは弓なりに反った形状で、路面からの振動を軽減することを最優先としていることがわかる。ロゴの AFS(アシンメトリカルフレームシステム)が示す通りこの部分は左右非対称であり、縦方向はしならせながら、左右方向の剛性は十分であることがわかる。
弓なりのバックステイは工作的には新しいものではない。しかし、しならせる縦方向の変形量としならせてはいけない横方向の両立が極めて難しく、カーボン素材そのものだけでなく、積層の方向性なども重要になる。つまり、高い技術力が求められるのだ。
また、タイヤとのクリアランスも大きめに取られ、やや太めのチューブラータイヤをチョイスするクラシックレースでの使用を想定したものであることは間違いない。メインフレームにつながるシートステイ上部もモノステイではなく、左右独立して集合部に到達する。リアエンドもこれまでに使用されていない形状のものだ。細部まで振動吸収性を発揮させるための工夫にあふれている。
シートポストもドグマのセミエアロ形状の専用ピラーではなく、ノーマルのピラー。これにともないシートチューブも細くなっている。ドグマの特徴的な波型の工作もフォークなどには施されていないようだ。
また、電動デュラエースのシフトケーブルはダウンチューブに内蔵され、必要最低限の右片側しか加工されていない(フレーム左側には内臓穴なし。電動は片側のみのケーブルラインでいいため)。
あらゆるトラブルが想定される悪路のクラシックレースにおいて、選手はメカトラブルだけでなく、「自分が落車してもレースにすぐに復帰できるチョイス」を最優先する(実際にカーボンハンドルなど、落車で破損するパーツチョイスはしない)。
ワイヤー内装という手段は、小さいながらも確実なテクニックなのだ。フランドル以上にマッドコンディションが多いパリ~ルーベではさらに効果的であると言える。
KOBHホイールベース
3.その他の注目点
ホイールベースを長めに取り、ややアップライト気味で重心をバイクのセンターに集める設計姿勢のように見える。これは、荒れた路面でのコントロールをストレスなく行うための工夫だろう。
一般ユーザーの視点からすると「あのONDAがカッコいいのに!」という声も聞こえてきそうだが、ピナレロがわざわざ作るには理由がある。
素材の特性を新たに引き出し、他社とのアドバンテージを広げるための実験場がレースなのだ。路面振動だけでなく、名誉あるクラシックレースの優勝をめぐる激しいバトルにおいて、「体力を温存可能な機材」というものは選手が最も要求するが、これは同時にもっとも用意しにくいものでもある。その要求に応えるピナレロの高い技術力を、KOBHを通じて垣間見ることができるのだ。
ピナクラブ編集部X











コメント
KOBHの感想。。
初めてロードbikeを購入しました。
違いが判らないので、一週間KOBHに乗り、二週間目に息子のコルナゴのC59を朝のトレーニング。
夜のトレーニングでKOBHに乗り、今週 息子のコルナゴのフェラーリに朝のトレーニングで乗って、夜のトレーニングでKOBHに乗って はっきりと違いが判りました。
最初の0mから1000mの乗り出しは、コルナゴの方が楽で、加速も その他反応もコルナゴの方が素早くクイックに感じましたが、10km過ぎた辺りから、KOBHの方が楽で、加速 動きの何れも素直で、兎に角扱い易いと感じました。
要因は、ピナレロさんのKOBHの説明に有る様に、疲労の蓄積が格段に違うのが、ハッキリと確認出来ました。
私の使う滋賀県大津市の161号線は、道幅が細く舗装路の状態も凹凸も多いのですが、ピナレロさんの説明以上に
、路面の凹凸の吸収をする様に感じました。
それと、一番感心したことは、身体の体幹能力の低い人でも扱え、コントロール出来るとつくずく思い感じました。
まさに長距離ツーリングを考えるのなら、KOBHをチョイスした恩恵を きっとオーナーは、感じる事が出来ると思いますよ。
先日、ドグマ2の、MYカラーオーダーをしましたが、6ヶ月後に納車されたら、違いがまだ鮮明に判明すると思います。
KOBHに巡り会え、所有出来た事に感謝感激してます。
長文に成り、申し訳有りません。
いいですね!
おはようございます。銀次郎さん。
KOBH、C59、フェラーリ(いつのモデルですか?)と乗れるなんて、いいですね!
私もPINARELLOのondaに乗ったときには、道路標識の塗装の段差を吸収してヌメッとしたので、タイヤパンクしてるのかと思いました。残念ながらKOBHは所有していませんので、わかりませんが、銀次郎さんの感想だときっとすごいのでしょう。
DOGMA2楽しみですね。納車されましたら、KOBHとの違いをUPしてください。よろしくお願いします。
了解致しました。
初めまして こんばんは。
お尋ねの件ですが、C59の方は、「C59 Scuderia 」
Feの方は、前半がГCOLNAGOforFERRARI60th.」
後半が、「COLNAGO Ferrari CF7 CarbonWheelVersion.」
です。
C59と60th.は、イタリアで購入しました。
CF7は、スペインに帰った時に購入しました。
兎に角 40歳以上の普通の人が乗るのなら、物凄く身体が楽です。
特に、私の場合ですが、C59成らば30kmが限界ですが、KOBHの場合だと50kmを走っても、余力が残ってました。
能力の高い方がのれば、ドグマ2やC59の方が良く、KOBHは物足り無く感じるかも知れませんね。
ドグマ2の件は、了解致しました。
年齢も お住まいも近い様なので、お見知りおき御願いいたします。。
[P S]
編集部宛てのメールと思い、他社の製品名を記載した事は、此方のミスなので、不愉快に
思われたら、申し訳有りません。
此からも宜しく御願い致します。